専攻科応用化学コース2年の佐藤瑠星さんと同1年の矢嶋祐介さんが日本MRS年次大会で若手奨励賞を受賞しました

 令和3年12月13日(月)から15日(水)にかけてオンラインで開催された第31回日本MRS年次大会において、専攻科応用化学コース2年の佐藤瑠星さんと、同コース1年の矢嶋祐介さんが「若手奨励賞」を受賞しました。
 本賞は、日本MRSが年次大会において優秀な発表をした学生(大学生、大学院生も含む)を表彰するもので、2月に受賞が発表されました。表彰候補者のうち、受賞者はわずか10%程度という栄誉ある賞です。

 今回2名の学生が受賞した研究テーマは、いずれも昨今次世代エネルギーとして特に注目を集めている「水素」を利用したエネルギーデバイスの燃料電池に関するものです。
 佐藤さんの研究テーマは「PEFC用電解質への応用に向けたプロトン性イオン液体型ポリマーの合成および電気的特性評価」です。佐藤さんの所属している研究室では、これまで固体高分子形燃料電池(PEFC)の電解質膜の新規合成に取り組んできました。通常、電解質膜にはNafion®というプロトン(H+:水素イオン)のみを伝導させる膜が使用されていますが、イオン液体を用いた新しい膜を合成することで、これまで使途が限定されていた水素エネルギーの燃料電池の汎用性を高めたほか、測定装置を自作し、研究に有用なデータを得ている点が高く評価されました。
 矢嶋さんの研究テーマは「IT-SOFCアノード用のブラウンミラライト酸化物アノード反応活性助触媒の電気的特性と電極性能」です。この研究は固体酸化物形燃料電池(SOFC)のアノードに注目したもので、アノードに酸化物助触媒を添加する際の手法を見直し、これまでと違う方法で取り組むことで、発電性能向上に貢献する反応活性サイトの増加を試みた研究です。材料の理論や特性に特化した研究が多い中、矢嶋さんは実際にSOFC単セルを作成して発電試験を行いながら研究を進めている点も評価され、見事受賞に至りました。

 この春に専攻科を修了し、新しい一歩を踏み出す佐藤さんと、来年度も引き続き専攻科での研究にまい進する矢嶋さん。さらなる活躍が期待されます。

3月7日に日本MRSから賞状が贈られました
(左から矢嶋さん、佐藤さん)