校長のメッセージ

ようこそ鶴岡高専へ

校 長  太 田 道 也

はじめに

 鶴岡高専は昭和38年に創設され、本年で60周年を迎える歴史と伝統ある国立の高等教育機関です。これまで即戦力の高い優秀な卒業生を輩出して参りましたが、昨今の科学技術の進歩は著しく、先端の科学技術を理解して研究や開発に携わる技術者養成機関としての役割も期待されるようになってきました。それを受けて、本校では平成15年に大学学部と同等の高度な専門教育と研究機能を持つ2年制の専攻科が設置されました。
 加えて、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた共創的考えはこれからの技術者には欠かせない概念です。このように社会は多様化の様相を呈しており、本校では5年制一貫教育の中に融合複合技術者・グローバルエンジニア・イノベーション人材の育成を目指した創造工学科を設置し、工学の基礎を学習後に情報、電気・電子、機械、化学・生物の4つの基礎コースに所属することでエンジニアデザイン力・コミュニケーション力に長け、アントレプレナーシップ(起業家精神)を兼ね備えた技術者としての素養を育成します。
 一方で、世界情勢の変化に伴い経済活動が中断されない構造として、国内生産供給にある種の変化が進行しています。本校では鶴岡市を中心とする山形県内企業との連携を図り、Uターン就職を考えている卒業生の皆さんへの就職支援サイトを本校ホームページ上に設置しております。本校は技術者を育てるだけでなく、地域貢献にも注力しており、庄内地域から山形県や全国の産業の発展に大きく貢献してきています。また、その実績に対し、産業界、行政、とりわけ地域社会から格段に高い評価をいただいています。現在では、本科では7,960名、専攻科では415名もの鶴岡高専卒業生・修了生が、各方面で技術革新の牽引役となって活躍しています。
 さて、鶴岡市はご存じのとおり、城下町であり、長い歴史と出羽三山や絹織物といった日本遺産もある格調高い文化の香る都市です。平成26年にはユネスコ食文化創造都市に認定されるとともに、広大な庄内平野を背景として高付加価値型のものづくりや環境に配慮した技術開発、ニッチトップの産業・企業が集積する産業においても全国が注目する発展型の都市でもあります。また、半導体などの先端材料や、バイオ、農産物といった強みのある分野を中心としつつ、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)などの革新的な技術開発に取り組んでおられ、そこでは本校卒業生がリーダーとなって活躍しています。そして、今後ますます本校在校生への期待も高まっています。

 本校のモットーは、「自学自習・理魂工才」です。自由な校風の下で、自ら学び、真理を探究し、高度な技術力を身につけることを目指しています。また、知識や技術の発信は国際的に行われます。本校の学生の中で、海外に目を向け、在学中に海外留学する学生の比率は約2割を占めており理系機関として極めて高く、そのことは、本校の専攻科や有力大学への編入学を含め、卒業後の進路の幅を広げています。

 本校教職員は、一丸となって若い学生の皆さんが世界最先端の知識や技術に触れる学びを支援します。そして、社会に貢献する有為な人財として本校を巣立ち、世界の様々な分野でイノベーションを引き起こされることを我々は確信しております。

 是非、鶴岡高専の魅力を感じ、またご理解いただき、学びの場、交流の場として本校に集い、本校教職員と一緒に夢を語り合い、実現に向かってともに歩みましょう。

コース・専攻の特徴

 1年次は全員「創造工学科」に所属し、幅広く工学の基礎を学びます。2年次に進級する際、「情報コース」「電気・電子コース」「機械コース」「化学・生物コース」の中から、一つの基礎コースを選択します。
 詳しくは、「本校ホームページ 学科・専攻科」の説明をご覧ください。

充実した学習環境

 本校は、国立の高等教育機関であり、博士号などの専門分野の学位を有する先生方が1年次からの5年間、授業や実習・実験を教授し一貫した工学教育などを行います。学びの中で疑問があれば、どんどん教授陣にご質問ください。
 また、本校の教室や実験室も、高等教育機関としてのレベルで整備がされており、先端的な研究に用いられる実験・実習機器を用いた授業や研究が行われます。
 加えて、学生向けの各種奨学金が用意されており、学業の状況に応じ、活用が可能です。

男女別、快適な寮生活

 通学が困難な学生に向け、学生寮が整備されています。近年の女子学生増加を踏まえ、女子寮も整備しています。寮生活で得られる学生間の絆は格別なものであり、それを学生時代の思い出の一番に挙げる声も多く聞きます。国際的にも、寮での経験や学びは評価されるものです。本校では、24時間にわたり、教職員が寮生活をサポートします。

幅広い進路

 卒業生の進路は、幅広く、多岐にわたっています。5年間の学習を終え、さらに進学する学生の割合は3割から4割程度です。高専の卒業生を採用したい企業は、大企業も含めて数が多く、就職する場合の求人倍率は数十倍です。なお、進学する場合、大多数が本校専攻科、東北大学、長岡技術科学大学などの国公立大学に進学しています。専攻科卒業後には就職や大学院進学の道が開けており、国内外で研究者として、技術者として活躍しています。
 詳しくは、「本校ホームページ 就職・進学」の説明をご覧ください。

校 訓

校訓

 自ら学び自ら思考しながら、目先のことだけにとらわれず、その基本となる原理を深く考え、実践を通して工学のセンスを身につける
 

基本教育目標

  1. 豊かな人間性と広い視野を持ち、社会人としての倫理を身につける
  2. あらゆる学習を通じて思考力を鍛え、創造力に富んだ技術者になる
  3. 専門分野の基礎を良く理解し、実際の問題に応用できる能力を培う
  4. 意思伝達及び相互理解のため、十分なコミュニケーション力を養う