2年連続の快挙]創造工学科化学・生物コース 伊藤滋啓准教授(2年連続受賞)および上條利夫教授が第28回日本MRS年次大会で奨励賞を受賞しました。

 この度、平成30年12月5日(火)から7日(木)にかけて北九州市で開催されました第28回日本MRS年次大会におきまして、昨年度に続き創造工学科化学・生物コースの伊藤滋啓准教授(2年連続)および創造工学科化学・生物コースの上條利夫教授が奨励賞を受賞いたしました。

 本賞は、日本MRSが年次大会において優秀な発表をした若手研究者(40歳未満)に対して行う表彰で、選考委員会が表彰候補者の数の10%程度を受賞候補者として選び、理事会の審議を得て決定される栄誉ある賞です。

 伊藤准教授が奨励賞を受賞した研究テーマは「固体高分子形燃料電池(PEFC)用カソード非白金窒素ドープカーボンの低温合成」です。白金を用いない窒素ドープカーボンの合成は燃料電池のより広い普及のためのコスト低減に必要な研究課題であります。また、窒素ドープカーボン表面における「4電子酸素還元反応活性サイトの設計」と「燃料電池への応用」などの関連研究発表多数なされています。その中でも、電極表面活性サイトの明確化に関する研究がなされ、カーボン中のピリジン系窒素の果たす役割の重要性について報告されており、この本研究成果は、さらなる、燃料電池の発展に繋がることが期待されます。今後の研究の更なる進展を期待され、今回の奨励賞の受賞となりました。

 上條教授の発表テーマは“Characterization of confined ionic liquids lubricants between glass surfaces”(邦題:ガラス表面間に閉じ込められたイオン液体の特性評価)というものです。ナノメートルサイズ(1ナノメートルは10億分の1メートル)の液体のレオロジー、トライボロジー特性を評価することができる共振ずり装置とセンチメートルスケールの実用的な摩擦特性を評価できる試験機を同じ材質の表面(ガラス)、潤滑剤(イオン液体)を用いることによって、ナノメートルサイズで形成された液体の特性が実用的なスケールの摩擦特性に影響を及ぼすことを明らかとし、イオン液体の構造から潤滑剤として有効である分子設計を提案できる可能性を示した点が高く評価され受賞となりました。

伊藤准教授、上條教授の、これからの益々の活躍が期待されます。

 

      表彰状(伊藤先生受賞分)

 

      表彰状(上條先生受賞分)