テクノ・パラメディック2021(飛島ボランティア活動)を実施しました

   日本海に浮かぶ山形県唯一の有人島「飛島」において、本校学生ボランティアによる「テクノパラメディック(技術の救急隊)」活動を実施しました。

   本活動は、今年で12年目の活動となりました。本科学生(2~5年)および専攻科生の合計27名に、鶴岡市と酒田市の企業に勤務する本校OB2名を加えた計29名の参加者で構成され、出航前の「出発式」では酒田市の丸山至市長から例年の取組に対する感謝や今年度活動への期待と温かいエールをいただき、本校の森政之校長からは激励の言葉を受け、8月7日(土)に酒田港を出発しました。

   今年度は8月10日(火)までの3泊4日の日程で計画していましたが、台風9号及び10号の影響により、急遽、活動予定を1日で切り上げざるを得ない事態となりました。活動の短縮は2日目の午前中に引率教員が判断したものでしたが、こうした過去に例がないアクシデントに遭遇しながらも学生達は速やかに、有機的な組織的連携で対応しました。2日目以降に作業を予定していた家電製品は、分解されて活動の準備が整えられていましたが、状況の変化に機敏に対応し、限られた時間の範囲で修理を終え、2日目の午前中の出航の準備を整えました。
   短い活動期間となりましたが、結果として、家電修理班はストーブや掃除機や換気扇など7件の修理、そして保守保全作業(リアカーのタイヤ交換、地下倉庫の清掃など)5件の対応を終えることができました。また、環境整備班は家屋の塗装に対応し、さらに勝浦海水浴場の上付近の側溝機能の回復(側溝の長さは約1km)を行いました。

   本活動は地域貢献ばかりではなく、その活動全般において学生の創造性や自主性の育成に大きく貢献しています。活動の中での島民関係者や行政、自治体および関連各所への照会や報告・連絡・相談などの実務的な対応に加え、失敗経験が社会性やモラルを育んでいます。
   また、授業のような予め設定されたカリキュラムに従って受動的に行動するのではなく、学生が主体的に行動して活動を運営しており、複数回参加している学生やOB・OGから、マニュアルなどによる後輩へのノウハウの伝承と定着化が図られていることが大きな特徴です。学生達にとっても、貴重な体験をすることができ、大変充実した活動となっています。

   今年度は活動全般の支援だけでなく、荷物の運搬や家電製品の返却対応などによって速やかな撤収体制を整え、出航に間に合わせることができました。多大な御支援を賜りました、とびしま総合センターの伊藤等所長、白井孝典主事に厚く御礼申し上げます。

【参加学生のコメント】
   『指導教員から常々教えられてきた「時間管理・自己管理の徹底」が機能した今回の活動でした。私たちの熱意は、ダブル台風の自然の力に抗うことはできませんでしたが、極めて密な連携と作業によって無事に役割を全うすることができました。関係各位に謝意を表します。有難うございました。(統括リーダー:石川明寛(5年))』

   『予定通りとならない事態もありましたが、なんとかなったのも班員のおかげです。
今回で、想定外も想定して挑むことの大切さが身に沁みました。活動を振り返って、残り半年に自分のためにできることを頑張りたいと思います。
このような機会に出会えたことを感謝いたします。(炊事班:工藤晴風(5年))』

   『こんなにも真剣に動き、連携し、成果と実績の収穫を得られた充実感は未だかつてありませんでした。この活動は、技術の知的な側面をともなうスポーツ競技だなと実感しました。(側溝班:志田遥飛(2年))』

                                    集合写真(撮影時のみマスクを外しております)

                                                  家電を修理している様子