令和5年度「産学連携セミナー」を開催しました

 3月18日(月)に鶴岡市先端研究産業支援センターにおいて、令和5年度「産学連携セミナー」を開催しました。本セミナーは、県外の研究機関や企業を含む地域社会との情報交換を通して地域理解を深め、融合研究や新規事業創出、技術革新などの機会提供を目的として開催しているものです。今回は、「ブドウ栽培とワイン醸造における科学と技術」をテーマに、講師3名よりご講演いただいた後、参加者も加わってパネルディスカッションを行いました。

 はじめに、株式会社Vinoble Vineyard 代表取締役 横町 崇 氏より、自社のワイン造りについてご講演いただきました。横町氏の会社は、ブドウ栽培設備の設計施工や接木苗の生産をはじめ、ブドウ栽培やワイン醸造などもすべて自社で行う、日本では数少ないワイナリーである旨をご紹介いただき、ブドウの持つポテンシャルを最大限に引き出す技術を活かしたワイン造りについて、お話いただきました。

 続いて、株式会社マルキョー 代表取締役 増子 敬公 氏より、「Cfa(温帯湿潤気候、夏高温)でのブドウ栽培とワイン醸造」と題し、ご講演いただきました。地球温暖化や農業就労者減少等のワイン醸造における課題を踏まえて、IoTを利用したブドウ栽培や農薬の使用量削減に向けた工夫について、ご紹介いただきました。

 さらに、東京農業大学バイオロボティクス研究室 客員教授 西岡 一洋 氏より、「Art & Science but BusinessとしてのViticulture」と題し、ご講演いただきました。日本のブドウ栽培・ワイン産業における、厳しい気候条件や限られたブドウの作付面積・ワインの醸造規模について触れ、そのような環境下で、あらゆる技術力を駆使して世界へ進出できる可能性について、研究者としての視点・経営者としての視点 それぞれからお話いただきました。

 最後に、質疑応答も兼ねたパネルディスカッションを行いました。参加者から寄せられたブドウ栽培やワイン醸造における疑問や課題に対して、講師3名の方々から様々な視点でご回答いただき、情報交換も兼ねた大変有意義な時間となりました。

 参加者の皆様からは、「大変勉強になった」「次の機会があれば参加したい」等の声が寄せられ、大変好評をいただきました。ご講演いただいた講師の皆様、ご来場いただいた皆様、開催にあたりご支援・ご協力いただいた皆様に、御礼を申し上げます。令和6年度も、研究機関や企業の皆様にとって有益な情報を提供するイベントを企画しますので、ぜひご参加下さい。

横町 崇 氏 増子 敬公 氏

         会場の様子

西岡 一洋 氏

 
                パネルディスカッションの様子