テクノ・パラメディック２０２２（飛島ボランティア活動）を実施しました．

10月8日（土）～９日（日）にかけて，山形県唯一の風光明媚な有人島「飛島」を舞台に，「テクノ・パラメディック’22（技術の救急隊）」の活動を実施しました．本活動は，工業高専の保有シーズを地域貢献に活かすべく考えられた“技術提供型ボランティア活動”で，これまでに数多くの受賞実績がある本校の看板活動です．

■「今年だからこそ意味がある」
当初は７月末の活動を予定し，綿密な事前調査を経て準備を万端に済ませていました．昨年度は天候に阻まれた本活動．今年度は新型コロナ（第７波）に活動を阻まれ，中止の判断の際は大きな落胆を隠せませんでした．引率指導教員には，「来年度，OBとして参加すればいい」と言われましたが，私は「OBとして参加するのと，リーダーとして参加するは違うんです．先生，やりましょう！」と想いを先生に伝え，その結果挑戦の機会をいただき，この上ない充実感を得ることができました．見るもの・聞くもの・体験・失敗・計画・実行，エンジニアリングデザインの真髄を学ばせていただきました．（5I宇田竜健）

■「数多に翻弄され，やっと手が届いた」
この活動自体は例えるなら氷山の一角であり，現地での技術的ボランティア活動を円滑に進めるためには，膨大かつ緻密な事前準備を必要とします．渡航準備，事前調査，修理担当決定と情報共有，滞在中の（食事の）献立立案などです．人的要因による調整ならともかく，天候や社会事情（新型コロナ）などの不可抗力要因に対する調整には，幾度も悔しさを感じさせられました．そんな私達の活動をともに支え，寄り添って頂いているとびしま総合センターや酒田市教育委員会，定期航路事業所をはじめ，多くの方々へ感謝の思いを捧げたいです．
（5I黒田琴音）

■「初参加の甘えを拭い捨てて」
中学校時代から，この活動に高い興味を持っていて，鶴岡高専に入学と同時に入部届を持ってゆきました．「あなたは初参加でも，そんな事情は先方には関係ない．どうだ，やれるのか？」と先生から問われ，「お願いします！」と即答しました．今回の活動は，１年生は私一人でしたが，学力や技術に秀でた優秀な先輩たちに囲まれ，何も心配せず活動を終えることができました．唯一の心残りは，短縮日程でなく「もっと活動したかった」ということです．あっという間の貴重な経験でした．副部長の大役をいただきましたが，様々なご指導があって無事任務を全うできたと思います．（1-1成澤想太）

■「初参加の甘えを拭い捨てて　その２」
「今回は１年生も参加する．参加するなら甘えを捨て，先輩としての矜持を背中で示せ」．先生から掛けられた心地よいプレッシャーは，サッカーグラウンドで何度も経験し克服してきた緊張とは異なり，静かながらも重い責任が伝わるものでした．私は掃除機の修理を担当しました．授業で学習した応用機構学とフックの法則を活かしつつ，蓋が閉まらない原因を明らかにできたことは，大きな収穫でした．今回の活動で，来年度（専攻科入学後）の融合複合科目の受講への興味と意欲がさらに高まりました．
（5I門脇大和）

■「活動的な馬鹿ほど恐ろしいものはない」
口下手でうまく言えないので，人の言葉を引用します．タイトルは，私の好きなドイツの文豪，ゲーテの言葉です．指導教員から常々教えられている，「無計画とは失敗を計画することだ」ということを如実に実感するとともに，浮かんだのがこのゲーテの名言です．知識の豊富な人間は少なからずいますが，その知識に対する的確な取捨選択ができないと，ただの活動的なバカで終わってしまいます．情報工学に興味がある私ですが，「好きな専門分野だけを学べばいい」とする近視眼的な発想を改め，計画的に臨まなければいけないな，と広い視野を持つことの大切さを痛感した次第です．（5I佐藤優心）

■「学問なき経験は経験なき学問に勝る」
これはイギリスの諺です．専攻科所属のため，当初はオブザーバーの役割での参加と思っていましたが，少数精鋭の参加人数から，全員が総力戦で臨んだ今回の活動でした．電光石火で扇風機の修理を終え，余裕をもって他への支援に回ることができ，充実した取組ができたと思います．(1EI石川明寛)

■「来年のリベンジの誓い」
私はヒーターの修理を担当しました。故障特定の熱センサー部のはんだ付け，オーバーホールを試しましたが，結果として活動期間中には直せませんでした．回路を追いかけていき，マイコン制御部の故障であることを突き止めましたが，その先の修理は断念せざるを得ません．しかし，きちんと原因特定を行えたことや解決案を立案することができたのは，これまでの学修成果のひとつと胸を張れます．（学校に戻り，時間と材料をいただければ直せます！）（1EI石川佳歩）