専攻科

近年の進展する情報技術に対応し、高い情報活用能力を用いて課題解決に積極的に取り組む開発型の技術者の養成が社会から求められています。さらに、産業のグローバル化によって、地域の企業においても先端技術の対応が要求され、地域の技術革新に貢献できる創造性にあふれた実践的な技術者の養成が求められるようになりました。これらの要請に応えるべく、本校では、地域社会に貢献し、国際的にも活躍できる創造型・開発型の実践的技術者の養成を目的として、専攻科を平成15年4月に設置しました。

専攻科は生産システム工学専攻の中に、機械・制御コース電気電子・情報コース応用化学コースを設けた1専攻3コース制となっております。専攻科で所定の単位を修得すると、大学工学部卒と同等の学士(工学)の学位を取得できます。(注:この学位授与の判定が高専で行える「特例適用」については、現在大学評価・学位授与機構に申請中です。

したがって専攻科を修了し、学士(工学)の学位を取得した学生は、大学院にも進学できます。

また、専攻科の教育内容は、後述のJABEE(日本技術者教育認定機構)認定教育プログラムとなっています。専攻科では、あらゆる分野の生産システムに関わる技術的課題に対応できるよう、広範な融合複合技術と高度な専門知識をもとに、社会情勢に対応して継続的に成長できる実践的開発技術者を育成します。そのための教育目標として以下の4つを掲げ、本科5年間の一貫教育を基礎としてより高度な専門教育・研究を行います。

  1. 自ら考え計画し、能力を総合的に発揮して問題を解決できる能力を身につける。
  2. 専門分野に加えて基礎工学をしっかり身につけた生産技術に関わる幅広い対応力を身につける。
  3. 英語を含めたコミュニケーション力を身につける。
  4. 多様な価値観を理解し、地球的視野をもつ豊かな教養と人間性を身につける。

これらの目標達成に向けた専攻科の教育課程では、チームワークによる課題解決型のエンジニアリングデザイン科目(創造工学演習、創造実習、実践的デザイン工学演習)、学会発表を必須とした高度な専攻科研究、コースの枠を超えて履修できる専攻科実験と共通専門科目、インターンシップの義務化、外部講師が先端技術を紹介する総合技術論等、特色のあるカリキュラム編成を行っています。

 

機械・制御コース

機械工学及び制御情報工学の高度な専門知識を習得し、これらを応用したシステムなどの設計や開発技術能力を持った実践的開発型技術者を育成します。機械や材料、エネルギー、計測・制御等の分野についての教育研究を行い、各種機械、ロボット、制御機器等を、資源や環境にも配慮して開発できる能力を養います。

学位申請における専攻区分は[機械工学]で、設計系、制御系、材料系の科目を中心に履修します。専攻以外の専門科目では「実践電気電子工学」や「材料科学」等を履修するほか、専攻科実験には電気電子系や化学系のテーマもあります。これらによって、機械・制御分野に加えて、電気電子・情報系や化学系に関連する課題にも対応できる能力を身につけることができます。

 

電気電子・情報コース

電気電子工学及び情報工学の高度な専門知識を習得し、これらを応用したシステムなどの設計や開発技術能力を持った実践的開発型技術者を育成します。社会基盤の構築に重要なパワーエレクトロニクス、エネルギー変換工学、半導体工学、通信工学、情報ネットワーク、プログラミング言語、アルゴリズムなどの専門知識を系統的、有機的に習得します。さらに、研究や工学実験などの課題発見解決型教育ならびに創造教育をとおして、高度情報化社会に適応できる能力を養います。

学位申請における専攻区分は[電気電子工学]で、システム系、通信系、情報系の科目を中心に履修します。専攻以外の専門科目では「基礎工業力学」や「材料科学」等を履修するほか、専攻科実験には機械系や化学系のテーマもあります。これらによって、電気電子・情報分野に加えて、機械・制御系や化学系に関連する課題にも対応できる能力を身につけることができます。

 

応用化学コース

物質工学及び生物工学の高度な専門知識を習得し、これらを応用した新素材などの設計や開発技術能力を持った実践的開発型技術者を育成します。化学や材料を中心にエネルギー、環境、生物に至るまで、教育研究の分野は多岐に渡ります。新素材や機能性材料、医薬品や農薬等の化学物質などを資源や環境にも配慮して開発できる能力を養います。

学位申請における専攻区分は[応用化学工学]で、化学系、材料系、生物系の科目を中心に履修します。専攻以外の専門科目では「基礎工業力学」や「実践電気電子工学」等を履修するほか、専攻科実験には機械系や電気系のテーマもあります。これらによって、物質・生物分野に加えて、機械・制御系や電気電子・情報系に関連する課題にも対応できる能力を身につけることができます。

 

JABEE認定教育プログラム:「生産システム工学」

JABEEは、技術者教育の振興と国際的に通用する技術者の育成を目的として、平成11年に設立された第三者機関で、工農理系学科を有する高等教育機関の教育課程(プログラム)の内容及び水準が、国際的に通用する技術者の教育として適切かどうかという視点から審査を行う機関です。

JABEEは、主に大学等で実施されている学部4年間の教育課程を分野ごとに審査しますが、大学の学部4年間に相当する、高専の本科4年から専攻科2年までの4年間の教育課程についても、ひとつのプログラムとして大学と同等に申請できます。

プログラムは、理念や目標、教育手段や方法、教育組織や環境等が総合的に評価されるほか、成績評価の明確さや、教育内容の継続的な点検・改善についても求められ、これらがJABEEが定めた基準を満たしている場合に「JABEE教育プログラム」として認定されます。

JABEEプログラムを修了した学生の大きな特典は、技術者として最高位ともいえる国家資格の「技術士」の第一次試験が免除されることです。また、技術士補の資格を申請し取得することができるほか、海外においても国際的に通用する技術者教育プログラムの修了者として評価されます。

 

本校では、平成17年度に全学科、全専攻一体としての教育課程が「生産システム工学」という名称で、JABEEプログラムとして認定されました。生産システム工学は、学科や専攻、コースの枠を超えて“ものづくり”に関わる実践的開発型技術者を養成するプログラムです。

生産システム工学は、本科4,5年の課程である「前期プログラム」、専攻科1,2年の課程である「後期プログラム」で成り立っています。前期プログラムについて定められた修了要件を満たして本科を卒業し、さらに専攻科に入学して後期プログラムを修めた者がJABEE修了生となります。

本プログラムの修了生は【応用理学】の技術部門の技術士補に登録できます。技術士資格の一次試験が免除されるため、実務経験を経て二次試験に合格し、登録申請を行うと技術士の資格を取得できます。