鶴岡高専の専門コースってどんなの?どうやって選ぶの?

 

鶴岡高専の学科・コース制度

令和7年度入学生より1学科4コース制から、

1学科5コース制の新制度

へと移行します。創造工学科のもと、以前からある

機械コース、電気・電子コース、情報コース、化学・生物コース

に加えて、

デジタルデザインコース

が新設されます。

デジタルデザインコースの一部については入学時に選抜を行いますが、基本的には2年生へ進級する際に専門コースを選択します。下の方で詳しく説明しますが、1年生の「創造基礎実習」という授業の中で、各コースの内容を体験してからコース選択を行えることは本校の特徴の一つです。

単なる興味だけではなく、実際に体験してから自分の進む道を選べる機会は貴重です。

やってみると、自分が思っていたのとは違う面が見えたり、何より選択の際の納得感が違います。

 

新制度のポイント!

全コースでデータサイエンスやAIに関する情報系の学習内容の大幅アップデート

現代社会においては、誰もがスマートフォンを所有し、電子決済など多くの事がデジタル技術を活用して出来、最近では生成AIを利用した文書作成、画像作成なども出来るようになってきました。こうした変化は人類史上かつてないほど速いスピードで進んでおり、それらの知識を活用できる人材の育成が急務となっています。また、日本ではデータサイエンティストなどのデジタル人材が不足しているのが現状です。

鶴岡高専では、文部科学省が推進する数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度の「応用基礎レベル」に相当する内容を、専門コースに関わらず全学生が学び、その知識や技術を自分の専門の場で活用できる能力の育成を行います。各専門コースでの学びと並行して進めていくことで、従来の枠にとらわれない、新しい視点とスキルをもった人材の輩出が期待されます。

数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度の説明

 

デジタル技術を活用した探求型の教育を実施するデジタルデザインコース

詳しくは下のデジタルデザインコースの部分で説明しますが、特色は以下の通りです。

  • 「機械、電気・電子、情報、化学・生物の基本4コースいずれかの専門知識」×「デジタル」
    による実践的なデザイン・制作・解析技術を身につけます。
  • 一人一人にメンターがつき、地域や企業が抱える課題に対する探究活動を推進します。(デジタル実践工学 1-4年)
  • 探究活動の成果を各種コンテスト等で発信します。

 

創造工学科のコース定員(R7年度より)

情報コースの定員は40名、デジタルデザインコースの定員は20名です。

機械、電気・電子、化学・生物の3コースの合計定員は100名です。

 

コース配属の流れ

1年生

デジタルデザイン(DD)コースの一部のみ入学時に選抜を行い、それ以外の学生は、コース未選択の状態で入学します。コース選択のため、全コースの内容を1年間かけて体験します。
コース配属のルールは下の方をご覧ください。

2年生

各専門コースに配属されます。
1年次DDコース所属の学生は、そのままDDコースへ配属されます。DDコースでは、デジタル技術を活用する際の基礎専門系を選択します。

 

各コースの紹介:おもしろそうなコースはあるかな?

   

ロボットなどの機械の仕組み、設計やデザイン、組み立ておよびその改良について学びます。
CADというソフトを使った設計の図面作成や3Dプリンタを用いた造形、金属などの部品加工技術を実習で学びます。ロボットを動かすモーターなど、電気系の知識や、設計したものの強度などを理解するため材料系の知識も重要となります。

自動車や精密機械などの製造系、社会インフラの保守・改修などの仕事につきたい人にオススメです。また、機械はどの工場にもありますので、食品系や薬品メーカーなど、多様な就職先があるのも魅力です。

【最近の主な進学先】

鶴岡高専専攻科、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、筑波大学、神戸大学、弘前大学、新潟大学、室蘭工業大学、千葉大学

【最近の主な就職先】

東北エプソン、アイリスオーヤマ、アマゾンジャパン合同会社、花王、フジテック、オリエンタルモーター、サントリービール、トヨタ自動車東日本、日立ビルシステム、TDKエレクトロニクスファクトリーズ、ヨロズエンジニアリング、出光興産、キャノンメディカルシステムズ

機械コースのページへ

 

電気をつくる(発電), 送る(送配電), 使う(電気・電子機器)について広く学びます。パソコンなどの電子機器の仕組みや、情報通信系技術についても学びます。また、半導体や燃料電池などに関連した材料系の知識や、電子機器を制御するためのプログラミング技術についても学びます。

電力・通信・交通などのインフラ関連のシステム開発や保守に関する仕事に就きたい人にオススメです。また、現代社会では至るところで電気が使われていますので、電気系技術者の仕事は多岐にわたります。

【最近の主な進学先】

鶴岡高専専攻科、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、東京工業大学、千葉大学、山形大学、電気通信大学、弘前大学、信州大学、新潟大学

【最近の主な就職先】

東北電力、関西電力、NTT東日本グループ会社、東北エプソン、東京エレクトロン、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、TDKエレクトロニクスファクトリーズ、デンソーFA山形、シンクロン鶴岡工場、東日本旅客鉄道、山形航空電子、三菱電機ビルテクノサービス、オリエンタルモーター

電気・電子コースのページへ

 

インターネットの仕組みやプログラムの仕組みについて学び、それらの知識を活用したソフトウェア開発やシステム制御技術について学びます。機械を制御するためには、その中の回路の仕組みについての知識も必要となり、電気・電子回路についても学びます。最近では、データサイエンス、メタバース、サイバーセキュリティ等の項目についても学んでいます。

ソフトウェア開発(ゲーム開発ではないので注意してね。)、ITインフラ開発や整備・保守に関わる仕事に就きたい人におススメです。

【最近の主な進学先】

鶴岡高専専攻科、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、千葉大学、電気通信大学、九州工業大学、新潟大学、山形大学、埼玉大学、室蘭工業大学

【最近の主な就職先】

メンバーズ、NTT東日本グループ会社、日情システムソリューションズ、NTTファシリティーズ、富士通ネットワークソリューションズ、ネットワンシステムズ、パナソニックシステムソリューションズジャパン、ファナック

情報コースのページへ

 

物質の性質や化学反応のしくみや、生命現象について学びます。化学や生物に加え、材料開発、医薬品開発、食品開発技術および、製造における品質管理についても学びます。

機能性材料、医薬品、食品、化粧品などの製造や品質試験、研究開発に興味がある人にオススメです。

【最近の主な進学先】

鶴岡高専専攻科、長岡技術科学大学、北海道大学、東北大学、京都工芸繊維大学、東京農工大学、新潟大学、山形大学、群馬大学、金沢大学、大阪芸術大学

【最近の主な就職先】

旭化成、東亜合成、クラレ新潟事業所、ライオン、花王、森永乳業、日本ゼオン、第一三共ケミカルファーマ、ニプロ、日新製薬、大阪有機化学工業、キリンビール、水澤化学工業

化学・生物コースのページへ

 

デジタルデザイン(DD)コース

デジタルデザインコースの特色は以下の通りです。

  • 「機械、電気・電子、情報、化学・生物の基本4コースいずれかの専門知識」×「デジタル」による実践的なデザイン・制作・解析技術を身につけます。
  • 一人一人にメンターがつき、地域や企業が抱える課題に対する探究活動を推進します。(デジタル実践工学 1-4年)
  • 探究活動の成果を各種コンテスト等で発信します。

ここがポイント!

基本的な専門は機械、電気・電子、情報、化学・生物の基本コースの中から選びます。よって、DDコースの中には異なる専門性を持った人たちが集まることになります。

DD機械系、DD電気・電子系、DD情報系, DD化学・生物系

各専門系における授業の多くは基本コースの専門科目と同じになりますが、デジタル技術を有効に活用するための専門科目が専門系毎に設置されています。
基本コースとDDコースの関係は選択科目の自由度としてとらえるとイメージしやすいかもしれません。

従来の専門コースの内容を重点的に学びたい人は基本コース、デジタル技術を活用した探求活動に重点を置きたい人はDDコースという選択が良いと思います。

デジタル技術の活用の他、異なる専門性を持ったものが共に探究活動を行うことで、既存の枠にとらわれない実践的かつ創造的な取り組みになる事が期待されます。

授業内容をもう少し詳しく知りたい方へ

各年度の授業の内容や評価の仕方などはWebシラバスにて全て公開されています。専門用語もたくさん出てきて難しいかもしれませんが、どんな科目があるか興味のある人は覗いてみよう。

シラバスへ

コース選択の仕組み?

入学後1年間かけて、自分の専門コースを決めます。(入学時にDDコースを選んだ学生は、コース内での専門系を決めます。)各コースには定員がありますので、コース配属にはルールがあります。基本的なルールは

  • 1年生の総合成績(全教科)によって決まる席次1番のものから順に希望するコースへ配属する。
  • 希望コース枠が埋まってしまったら、第2希望コースへの配属、第2希望コースも埋まっていたら第3希望コースという形で配属される。

全ては1年生の最後に決まるのですが、定期試験(前期中間・前期末・後期中間・学年末)が年4回ありますので、定期試験毎に希望調査を行い、その都度、自分の希望がどの様になるか確認できるようになっています。

希望コースに行くためにもっと勉強頑張ろう!」、
「希望コース以外の別のコースの事をもっと詳しく調べてみよう!」

など、状況に応じて、また自分の興味の変化に応じて様々な判断をしていきます。これまでの実績をもとにすると、最終的には95%以上の学生が第1希望コースに配属されています。

 

コース選択を行うために

  • コース選択ガイダンス(4回):コース専門教員がカリキュラムや研究内容、進路について説明します。
  • 創造基礎実習:1年間かけて各コースの特徴的な実習を体験します。
  • 専門教員の研究室訪問や先輩からの情報収集:なんでも相談にのります!

 

ここがポイント!:各コースの内容を体験する「創造基礎実習」

1年間かけて、順番に各コースの特徴的な内容について実習形式で体験します。「百聞は一見に如かず」という言葉がありますが、この言葉の通り、思っているのと、やってみるのは結構なギャップがあります。こうした、一定時間かけた実際の体験をもとに自分の専門を決められるのはレアケースかもしれませんね。実例として、

機械コースと言われて皆さんはどういうイメージを持ちますか?

多くの方は、「汚れる」、「力作業が大変そう」、「男子向け」という印象をお持ちではないでしょうか?創造工学科が生まれる前の鶴岡高専では専門コースを選んで入学する形式でしたが、そうしたイメージからか、機械コースにほとんど女子がいませんでした(40人中2人いれば多いくらい)。でも創造基礎実習を通して、体験してからコース選択をする形式になってから、機械コースに進む女子が増えました。年によっては、情報コースより女子が多いこともあります。やはり、やってみたからこそ分かる部分が大きいのだと思います。

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