テクノ・パラメディック2025(飛島家電修理ボランティア活動)を実施しました

【テクノ・パラメディックとは】

鶴岡高専の学生が高専教育で培った技術力を地域社会に還元するコンセプトを元に,工業高専の保有シーズを駆使して地域貢献を果たす“労働力提供型”のボランティア活動.家電製品の修理をはじめ,離島(飛島)について考え,行動するこの活動は,他に類をみない独創的なエンジニアリングデザイン活動である.

本活動は今年で16年目を迎えました.近年は感染症や台風などで予定どおりでの実施ができないこともありましたが,本年は1年生から参加している学生を統括リーダーとし,万全な準備をして臨みました.しかし,出発日の当日になり,最終日のフェリー出航見立てが「×」に.参加メンバーの安全安心を優先としつつ,即座に活動全体を見直し1日早く戻ることを決断しました.予定より1日短くなったものの,統括リーダーを中心に予定していた作業,そして追加依頼の作業を効率的かつ集中的に行い完遂させました.また,今年は16年目にして初めて長期留学生が参加しました.期間中,多くの学生と交流し,お互いに学び合うことで国際的な交流も行われました.

 

「経験を伝える側に」(統括リーダー:4年情報コース 成澤想太)

 

 私自身,1年生(2022年度)からテクノ・パラメディックに参加させていただき,本年度で4回目の活動となりました.

昨年度の活動が延期となり,実施の際も人数を大幅に減らしての形となったため,活動経験者は私を含めわずか2名という状況から,本年度の活動はスタートしました.そのような中で総括という大役を託していただき,「ついにこの立場か……」と身の引き締まる思いで準備にあたったことを覚えています.

 未経験ながらも,過去の資料や事前調査を通じて最大限の準備をしてくれた各活動班のリーダーたちには,心から感謝しています.また,自分自身のこれまでの経験を伝え,それを各班の参考としてもらえたことに,活動の積み重ねを実感しました.

 飛島総合センターの滝口所長をはじめ,活動にご支援・ご協力をいただきました関係各位の皆さまに,心より御礼申し上げます.

 来年度もこの活動に携わり,さらに良いものにして見せます.

 

 

「BOSSが不在 無力を実感」(総務担当:4年情報コース 齋藤壮真)

 今回,初めて総務を担当させていただきました.これまで先輩方に任せていた事前調査やTシャツの発注などを自分で行うことになり,不安もありましたが,大きな経験となりました.

 特にTシャツの発注は想像以上に難しく,スケジュール管理が甘かったことで提出間近に慌ててしまい,自分の力不足を痛感しました.その中で,Tシャツ担当のメンバーや総括にたくさん助けていただき,なんとか形にして提出することができました.

 そして,何よりも小野寺先生には本当にお世話になりました.宍戸先生が不在の中,私の準備不足や不手際で多くのご負担をかけてしまいましたが,それでも最後まで丁寧に対応してくださり,発注作業も一緒に進めていただきました.自分一人では絶対に乗り越えられなかったと思います.心から感謝しています.

 活動当日はメンバーそれぞれの頑張りや成果,そして喜びの瞬間を記録に残すことを意識しました.家電に真剣に向き合いながら試行錯誤する姿,美味しい食事を提供し,メンバー全員を笑顔にしようと尽力する姿,炎天下の中,体力的にきつい状況でも島民のために汗だくになって清掃に取り組む姿など,「本気」で臨む一人ひとりの姿勢を記録するように心がけました.

 

 

「挑戦と達成感」(家電修理班リーダー:4年電気・電子コース 齋藤光希)

 テクノ・パラメディックを通して,家電を修理する難しさを知りました.複雑な仕組みを理解することに苦労する一方,修理できたときの達成感は言葉に表せませんでした.全ての家電が直るわけではありませんでしたが,故障の原因究明や再発防止策を考える過程で,多くの学びがありました.また,直せなかった家電はできなかっただけでなく,どのようにしたら再発を防げるか,何が原因かを伝える事ができるような,何かを得られることができるように活動を頑張りました.直せても直せなくても,島の方々が笑顔で「ありがとう」と言ってもらえた瞬間,活動に参加して本当によかったと心から思いました.この経験は,私にとってとても良い体験となりました.

 

家電修理班

 

 

「一丸となって島のために」(環境整備班リーダー:5年機械コース 成澤亜廉)

 (右:成澤君)

 私は今回初めてのテクノ・パラメディック参加となりました.初参加ということで非常に緊張しましたが,無事に最終日まで乗り切ることができました.私は主に環境整備班のリーダーとして,日程の調整や班員への指示をしながら自分自身も側溝の清掃や山道の整備などの作業を行いました.屋外での活動が多い環境整備班は暑さや虫に苦労しながらも,班員一丸で作業に取り組みました.島民の皆さんに「助かりました」と言っていただけた際は非常にやりがいを感じる活動になりました.センター長の滝口様や先生方など,本当にさまざまな方々の支えのおかげで島民の方の要望に応えることができました.支えてくださった方々への感謝を忘れずに,この活動を次に繋げていきたいです.

 

 

環境整備班

 

 

「活動にエネルギーを」(炊事班リーダー:5年機械コース 和賀柚希)

 今回の飛島での活動を通して,全員で意見を出し合いながら進めたことで,全員が主体的に活動に参加していると感じました.また,島民の方々に向けてボランティア活動を行っていた環境整備班や家電修理班のサポートをすることで,それぞれの活動をより精力的に進める手助けができたのではないかと思います.1日短縮された日程の中でも,限られた時間を有効に使い,食材も無駄にすることなく,計画的に食事を提供できました.全体を通して,協力し合いながら臨機応変に対応できたことが,今回の活動の大きな成果だったと感じています.

 

 

炊事班

 

 

「異国の地で得た,新たな学びと仲間」(長期留学生:4年情報コース アミン)

 今回初めてテクノ・パラメディックに参加しました.そこまで大きな期待はしていませんでしたが,友人たちと島に行けるのがとても楽しみでした.私は環境整備班に配属されました.主な仕事は2つあり,森の中にある避難階段の清掃と側溝の泥出しでした.

 力仕事にはかなりの体力が必要だと学びましたが,それ以上にチームワークが重要だと感じました.全員が自分の仕事をきちんとこなすことで,その日の目標を達成できたのです.リーダーである先輩は非常に有能な方で,皆の意見を尊重しながらも,目標達成に向けてしっかりと導いてくれました.

 また,個性豊かなチームメイトと一緒に作業するのは,とても楽しかったです.

 

 

【活動実績】

◆家電修理:修理依頼15件,修理完了10件,修理不能5件

 (主な修理依頼:石油ストーブ,扇風機,電波時計,除湿機,液晶テレビなど)

 

◆環境整備:側溝清掃,避難路の整備,山道の落ち葉掃除,車道の枝や草の除去,倉庫清掃

 

◆炊事:参加メンバーの食事提供

 (メニュー:ビビンバ,チキンカレー,サラダうどん,コールスロー,豚汁,焼きおにぎり,卵わかめスープ,その他多数)

 

【活動の様子】

「ここが着火するんだな」

「ここが原因ですね」
「ほんとだ!」

「よく考えられているなぁ」

「修理完了です!」

「2年分かぁ.すごいなぁ」

「どうやって結んだらいい?」
「こうやるといいんじゃないですか」

「俺,やりきりました!」

「ふたりでやりきったね!」

「さぁ人数分,作るか!」

「先輩!これ開けますね」
「お願い!」

「効率,効率♪」

「肉は俺に任せろ!!」

参加学生26名(男子22名,女子4名),OBOG:7名

【おわりに】

 本活動を実施するにあたり,酒田市とびしま総合センター所長 滝口隆様,同センター主事 佐藤優太郎様には,事前調査をはじめ,年度当初からきめ細かな御支援,御協力を頂戴いたしました.天候の関係で急きょ1日早く切り上げるということになりましたが,予定していた全ての作業に取り掛かることができ,体調不良等もなく安全に完遂することができました.また,今年度は4社様からの活動へのご支援をいただきました.本活動の趣旨への御理解と御賛同,そして御協力を賜った関係者すべての皆々様のお陰で無事に活動を終えることができました.メンバー一同,心より謝意を表します.大変有難うございました.

 

◆ご支援いただきました企業様をご紹介いたします.

 エンベデッドソリューション株式会社 様

 東北エプソン株式会社 様

 ニプロファーマ株式会社 様

 三木プーリ株式会社 様

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(文責:サービス・デザイン部顧問 小野寺良二)