本校卒業生齋藤大輝さんの研究成果が 国際学術誌「IEICE Trans. Fundamentals」誌に掲載
本校卒業生の齋藤大輝さん(令和4年3月専攻科卒)、金帝演准教授による論文「Tourism Application Considering Waiting Time」が、国際学術誌「IEICE Trans. Fundamentals」に掲載されました。
「Tourism Application Considering Waiting Time」
Daiki Saitou, Jeyeon Kim, Tetsuya Manabe
論文は以下から無料でダウンロードできます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/transfun/advpub/0/advpub_2022EAP1027/_article
図1 観光アプリケーションの概要(プランニング機能→ナビゲーション機能) |
特徴
本研究は、待ち時間を有効活用可能なプランニング機能およびナビゲーション機能を持つ観光アプリケーションを提案するものです。
研究の背景
近年、観光分野では個人旅行の割合が増加しており、個人の嗜好が重視される傾向が強くなっています。それゆえ、個人の嗜好を反映して観光プランを作成するアプリケーションや観光用のナビゲーションなどが提案されています。しかし、これらの多くは地方観光の想定が不十分であり、公共交通機関の便数が少ないゆえに発生する待ち時間について十分に検討されていませんでした。
概要
・プランニング機能は観光プランを作成する機能であり、公共交通機関の時刻表情報を考慮することで待ち時間が短く、多くの観光地を訪問可能な観光プランを作成することができます。
・ナビゲーション機能はプランニング機能で作成した観光プランの経路案内を行う機能であり、待ち時間が発生した場合は訪問可能な観光地を提示することで待ち時間を有効活用します。
・構築した観光アプリケーションを利用して観光を行う実験を行った結果、待ち時間を有効活用することで観光体験が向上することが確認されました。
・以上の結果より、本観光アプリケーションの有効性が示され、地方観光の促進による地域活性化が期待されます。
図2 待ち時間に訪問可能な観光地が提示された例 |
本研究は、鶴岡工業高等専門学校 専攻科 2年(当時)の齋藤大輝(さいとう だいき)さんを中心として実施されたもので、齋藤さんは、気象観測機器コンテスト、研究室での輪講などで精力的に活動してきました。
専攻科1年時にも、積極性と粘り強さを発揮して研究に取り組み、ITS研究会で研究成果を発表、現在は筑波大学の博士前期課程に在籍しており、更なる研究の発展が期待されます。
齋藤さんのコメント:
研究活動を通して、開発したアプリケーションを実際に利用してもらいフィードバックをもらうという貴重な経験をさせて頂きました。被験者の方々から頂いた貴重な意見を参考に改良を続け、本アプリケーションをWebアプリやスマホアプリとして公開できるよう努力していきたいと思っています。