日本MRS年次大会で、創造工学科化学・生物コースの伊藤滋啓准教授と有機・無機機能性材料研究室の本間彩夏技術補佐員が奨励賞を受賞しました
この度、令和2年12月9日(水)から11日(金)にかけてオンラインで開催された第30回日本MRS年次大会において、創造工学科化学・生物コースの伊藤滋啓准教授と、有機・無機機能性材料研究室所属の本間彩夏技術補佐員が「奨励賞」をそれぞれ受賞しました。
本賞は、日本MRSが年次大会において優秀な発表をした40歳未満の若手研究者及び学生を表彰するもので、表彰候補者のうち受賞者はわずか10%程度という大変栄誉ある賞です。
伊藤准教授の研究テーマは「欠陥構造シミュレーションを用いたSOFCアノード層への酸化物助触媒添加による活性サイトの設計」です。本研究は昨今次世代エネルギーとして特に注目を集めている「水素」を利用したエネルギーデバイスの燃料電池に関する研究であり、物質・材料研究機構(NIMS)と協働で行われたものです。研究室がオリジナルで開発した酸化物助触媒を添加したアノード(電極)を用いたセルで実際に発電試験を行いながら、発電性能向上に資する「活性サイト」の考察についてコンピュータシミュレーションを駆使して解明しました。
本間さんの研究テーマは「不揮発性溶液コーティングによるイオン液体型ポリマーブラシの合成」です。これまで本間さんが所属する研究グループにおいて、イオン液体との組み合わせで優れた低摩擦特性の発現が見出されたイオン液体型ポリマーブラシの合成を、機材表面に原料を塗布して加熱するだけで行うことに成功しました。従来は、溶液に揮発性成分を含むことから、密閉状態で用いる必要がありましたが、この方法はその必要がないため、コストを格段に削減できる画期的な生産技術であり、ポリマーブラシ材料の実用化に資する研究成果です。
受賞された2名の、これからのますますの活躍が期待されます。