創造工学科電気・電子コース 大西宏昌准教授が平成30年度国立高専教員顕彰において分野別優秀賞を受賞しました

   国立高等専門学校機構で実施された平成30年度国立高等専門学校教員顕彰において、本校創造工学科 電気・電子コースの大西准教授が分野別優秀賞を受賞しました。

   これを受け、5月8日(水)に本校において表彰式を実施し、髙橋校長から大西准教授へ表彰状が授与されました。

   教員顕彰は、国立高等専門学校において、専門の研究業績のみならず、学生教育を中心とする分野において顕著な功績を挙げている教員を表彰するもので、本校では、27年度の小野寺良二准教授(機械コース)の優秀賞、28年度の上條准教授(化学・生物コース/職名は受賞当時のもの)の理事長賞、29年度の神田教授(電気・電子コース)の理事長賞に引き続き、4年連続受賞の快挙となりました。

  今回、大西准教授が顕彰された題目は『低学年次基礎物理学を核としたアクティブラーニング環境の構築とその実践』です。大西准教授は、自身が担当する物理の授業において、「学びにおける責任は学生自身にあることを自覚させ、自主的・能動的に学ぶ力を養う」ことを目的とし、「最初から必要以上に教えることはせず、学生が十分に悩み考える機会を確保したうえで、その結果わからなかった学生には丁寧に指導する」といった授業改革を実施しました。

   具体的には、学習への動機づけとして、スマートフォンに搭載されているセンサーを利用して測定を行うという実験方法を導入。学生自身が所有するスマートフォンを用いるため、これまでは学校でしかできなかった実験を「宿題として課す」ことを試みています。また、実験と理論をつなぐ教材として、アニメーションと各種グラフを連動させたシミュレータを開発し、初めて物理を本格的に学ぶ学生でも視覚的に理解できるよう工夫しました。開発は、学術協定を結んでいるトゥルク応用科学大学(フィンランド)の物理教員チームと共同で行われています。

 これらの教材は本校の物理担当教員間で共有され、他の教員も利用しています。また、学生を対象に行う「授業アンケート」においては、「授業に対する意欲」が5点満点中平均4点を超える高評価を得たほか、学生間での教え合いが活発化し、休み時間や放課後に質問に来る学生が飛躍的に増加しました。

 授業方法の創意工夫のみならず、他の教員及び学生へ大きく波及した点が高く評価され、今回受賞のはこびとなったものです。

 大西准教授は表彰式において、「今回、他の物理教員をはじめとする教職員の協力により受賞できたこと、また、新しい試みに自由に挑戦できる環境があること、大変感謝しています。しかし、今回顕彰された取り組みはまだ道半ばです。さらなる改善を目指し、今後も精進していきたい」と話していました。

大西准教授の、今後ますますの活躍が期待されます。

髙橋校長とともに(右側が大西准教授)