創造工学科機械コース 荒船博之准教授が山形県科学技術奨励賞を受賞しました

この度、創造工学科機械コースの荒船博之准教授が、第23回山形県科学技術奨励賞を受賞いたしました。山形県科学技術奨励賞は、山形県内において科学技術の研究開発に従事している40歳未満の人を対象に、技術開発に関し優れた研究成果を挙げた人、新しい理論解析や実験手段を創案した人等に贈られる賞です。

荒船准教授が受賞した主な研究テーマは「ポリマー構造体界面における摩擦・摩耗現象の解明と、実用化に耐えうる高耐久潤滑コーティングへの展開」。フライパンや機械部品に使われる表面コーティングなど、接触面のはりつきを抑え動力を滑らかに伝える潤滑剤の研究です。荒船准教授は、微小繊維が歯ブラシのように均一に密集した濃厚ポリマーブラシという潤滑剤の実用化に関する研究に着目。乾燥や摩耗・煩雑で高コストな製造プロセスといった実用化における課題に対し、難揮発性液体との複合や削れても再生する自己修復機構の導入、塗って加熱するだけで合成できる新規製造プロセスなど、実用化に耐えうる高耐久潤滑技術を開発したことが評価されました。これらの技術開発は論文や特許化されており、今後は機械システムの高効率・長寿命化に加え、雪や氷の付着を抑える防災技術・汚れや生物の付着を抑える防汚コーティングへの展開が期待されます。

なお、山形県科学技術奨励賞の授与式は、令和7年2月10日(火)に山形県庁にて開催され、吉村美栄子山形県知事より荒船准教授に直接表彰状とレリーフが贈呈されました。授与式当日には受賞者ならびに山形県試研究機関優秀研究課題の研究発表会も行われました。

荒船准教授は今回の受賞に際し、「大変名誉ある賞の受賞に際し、選考に携わった審査員の方々、関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。今回受賞に至った研究内容は本校の上條教授、森永教授、本間研究員、鈴木研究員、佐藤研究員、技術職員の方々や研究室の学生達、共同研究者の先生方など多くの方々に支えられた研究プロジェクトの成果です。今後は得られた成果を産官学で連携しながら社会実装に進める傍ら、高専の使命として社会課題を解決する「ソーシャルドクター」を育成し山形から世界へ展開していきたいと考えております。最後に、常日頃から生活を支えてくれている家族に感謝いたします」と話していました。

山形県のホームページに掲載されました

第23回山形県科学技術奨励賞授与式・研究発表会 | 山形県

【記念撮影の様子】
(前列左より二人目 荒船准教授)
【荒船准教授による研究発表の様子】
【表彰状】