令和6年度「産学連携セミナー」を開催しました

 11月6日(水)に本校8号館において、令和6年度「産学連携セミナー」を開催しました。本セミナーは、県外の研究機関や企業を含む地域社会との情報交換を通して地域理解を深め、融合研究や新規事業創出、技術革新などの機会提供を目的として開催しているものです。今回は、「鶴岡らしいビールってなんだろう?~醸造・農業・科学から考える~」をテーマに、講師3名よりご講演いただいた後、参加者も加わってパネルディスカッションを行いました。

 はじめに、株式会社協同商事 コエドブルワリー 代表取締役社長 朝霧 重治 氏より、Glocalのコンセプトを基にしたビジネス戦略についてご講演いただきました。自社製品である「COEDOビール」の展開モデルを取り上げ、地元の素材を活用して、世界中で愛される製品を生み出すことは、決して不可能ではないことを示して下さりました。

 次に、東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授 大矢 禎一 氏より、「ビール会社と大学との協創:これからの発酵産業のビジョン」と題し、ご講演いただきました。長年に渡って行ってきた酵母に関する研究成果に基づき、ビール会社と連携した課題解決や研究開発についての事例をご紹介いただきました。さらに、新たな「鶴岡らしいビール」について、産学連携の観点・ビール嗜好者としての観点、それぞれからご提案いただきました。

 続いて、叶野農場 叶野 幸喜 氏より、「地域農産物の連携と地域循環型農業」と題し、ご講演いただきました。庄内地域の風土を活かし、生産・製造・販売のすべてが地域内で完結する循環型経済圏を目指す「庄内スマートテロワール」に参画し、大学や食品加工会社と連携して商品開発をした事例をご紹介いただき、農業界における今後の地域連携のあり方について、お話いただきました。

 最後に、質疑応答も兼ねたパネルディスカッションを行いました。参加者から寄せられたビール醸造や発酵工学における疑問や課題に対して、講師3名の方々から様々な視点でご回答いただき、「鶴岡らしいビール」に関する意見交換も行われました。醸造・農業・研究、それぞれの連携の可能性が見出せた、大変有意義な時間となりました。

 今回は定員を大きく上回る62名の方々にご参加いただき、「とても興味深い内容だった」「次回も参加したい」等の声が寄せられ、大変ご好評いただきました。ご講演いただいた講師の皆様、ご来場いただいた皆様、開催にあたりご支援・ご協力いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。

朝霧 重治 氏

大矢 禎一 氏

 

叶野 幸喜 氏

満席となった会場

 

パネルディスカッションの様子