社会の第一線で活躍中の本校卒業生からいただいたメッセージをリレー形式で紹介します。
第10回 福 山 昌 弘 氏
(工業化学科・第10期卒(1981年) 住友化学(株)機能性ポリマー部部長)
『あらためて思うこと』
面接試験のため、初めて大阪の地に降りて32年が過ぎた。大阪駅から本社までの道程、研究室の平川先生に「地下鉄、乗ったこと無いだろうから(今でも鶴岡には地下鉄は無いが)歩いて行ったらどうだ」と助言された。無事本社付近まで着いたが、見たこともないビルの林に本社ビルがわからず、遅刻寸前だったことが懐かしい。入社以来、高分子に関わっている。千葉研究所で15年合成ゴムの研究、東京本社で5年新規市場開発、そして今、少し風変わりなプラスチックの営業に携わり12年がたった。あらためて思うが、何事も基本が大切。会社に入れば、新しい技術やみたこともない機械に幾度となく遭遇し、使いこなす必要に迫られる。が、複雑な理論や仕組みも、所詮は基本原理の応用と組み合わせ。高専の3年生までの知識、結構活きたなー。
英語。入社して6年目ぐらいのこと。海外の化学メーカーと会議があった。鶴岡で生まれ育った私は、生の外国人を見ることは稀で、もちろん話す機会などあったはずもない。当時、英語は仕事の関係で多少読めるようにはなっていたが、聞く話すはできなかった。初めての外国人との接触。同じ会議に同期も参加していた(有名国立大学)。彼は議論に参加でき、会食の場では会話が弾んでいた。恰好いいと思った。翌月から個人レッスンに申込み5年間。その後、通勤電車のウオークマン特訓10年間。少しは役立っているかも?
舞い散る鶴岡公園の桜、だだちゃ豆と口細かれい、そして、金峰山下に広がる黄金色の稲穂。今も思い、千葉に暮らす。