卒業生リレーエッセイ【第8回】

社会の第一線で活躍中の本校卒業生からいただいたメッセージをリレー形式で紹介します。

 

第8回 三 浦 照 男  氏

(工業化学科・第2期卒(1973年) サムヒギンボトム農工科学大学継続教育学部学部長)

『異文化での自己成長』

 約40年前、鶴岡高専では工業化学を専攻し、就職の内定もいただいていた私が、卒業を目前にして農業に関係した国際協力の道を目指す決心をしました。しかし、私の決断に障害がありました。就職内定したのを断るのは後輩に対して迷惑がかかると異議を唱える諸先生がいたからです。それでも、当時の指導教官であった故平川先生が決意を理解してくださり、教授会議で諸先生を説得してくださいました。また両親も私を応援してくれました。
 高専卒業後、アジア学院と酪農学園大学で学び、1978年より3年間バングラデシュの農業プロジェクトに従事しました。私にとっては初めての海外生活で、重度なカルチャーショックに陥りました。更に電気も水道も無い、酷暑の農村でがむしゃらに仕事した割には思ったような結果が出せない、という虚脱感も味わいました。
 私の弱いところを埋めようと国立フィリピン大学院に留学、そしてアジア学院で20年近く働きました。その間アメリカのカンザス州立大学院(博士課程)に留学することができました。そして縁あって、2004年より北インド・ U.P.州のキリスト教系大学で働く機会を得ました。人材育成を中心に、農村・農業開発事業が私の主な任務です。
 インド生活10年目。高専時代に決断した原点に返り、そして異文化の中で成長させられていることに喜びを感じています。鶴岡高専創立50周年記念を皆様と共に祝えることで、更にこの喜びが増しています。皆様に感謝です。

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