卒業生リレーエッセイ【第23回】

社会の第一線で活躍中の本校卒業生からいただいたメッセージをリレー形式で紹介します。

 

第23回 村 田   充  氏

(機械工学科・第2期卒(1969年) (株)斎藤農機製作所開発技術部長)

『高専時代に得たもの』

 私は高専卒業後、東京で約3年間シャッターの設計業務をしておりましたが、家庭の事情で地元酒田に戻り、地元企業の(株)斎藤農機製作所で現在まで農業機械の開発設計業務従事しております。この間、多くの製品開発に関与してきましたが、高専時代に学んだことで何が一番役立ってきたか、振り返って考えてみたいと思います。同期の人の中には経営のトップや営業部門のトップ、又政治家として活躍している方もいます。私の兄も一期生ですが、花王(株)で当初から人事畑を歩んでおりました。このような専門とはあまり縁のない分野で活躍されたのは、高専時代に培われた開拓者魂とチャレンジ精神があったからではないでしょうか。私の場合は機械に関係する業務であったため、高専で学んだ専門知識は多少役立っていますが、最も大きな財産は、開拓者魂とチャレンジ精神を植付けられたことだと思っております。農業機械は今でこそ主要機種において基本技術が確立されつつありますが、私が入社当時はほとんどが未知の分野で、手探りで新技術を追い求めておりました。(現在も似たようなものですが)従って、思惑通りの結果を出せることはほとんどなく、数多くの失敗と挫折を経験してきました。一般の会社では許されないはずですが、幸いにも経営トップの寛大さと適切な指導を得たことと、失敗の度に、そこから新しい理論と技術を見出すチャレンジ精神があったことで現在まで継続できたと考えております。

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