卒業生リレーエッセイ【第19回】

社会の第一線で活躍中の本校卒業生からいただいたメッセージをリレー形式で紹介します。

 

第19回 矢 萩 保 雄  氏

(電気工学科・第4期卒(1971年) 東北電力(株)代表取締役副社長)

『電気の安定供給を目指して』

 電気エネルギーシステムは電気を作り(発電)、送り(送電)、配る(配電)、そして使うことです。私は長年、東北電力の配電業務に従事してきました。配電の業務は電柱等を建設し、保守し安定的に電気をお客さまにお届けすることです。
 当社供給エリアの新潟県と東北6県は自然条件が厳しく、停電が発生しやすいことから、入社以来、雪、風、塩、雷、地震等の自然災害対応に多く携わってきました。対応の方法には、設備強化のハード面と早期復旧能力向上のソフト面があります。特に力を注いできたのは組織としての復旧能力向上です。訓練を重ね、装備を整え、体制を整備してきた結果、新潟県中越地震、中越沖地震、さらには平成23年3月11日の東日本大震災においても電気の早期復旧を実現することができました。私はその時、新潟支店長として勤務しておりました。何年も前から宮城沖地震の発生が予測されており、復旧訓練を重ねていた結果、冷静に対処できました。まず地震発生と同時に新潟支店管内の復旧および後方支援要員が自動的に宮城県に向けて出発し、その後、混乱している被災地事業所管内において、新潟支店を含む応援隊が自立的に停電を解消するという体制が機能しました。
 当社配電部門の大規模自然災害における復旧能力は、全国でも高いレベルにあります。
 今後も東北を含む日本各地で大規模自然災害が予測される中、最大の使命である安定供給を目指して、全社一丸となって能力の維持、向上を図っていくこととしています。

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