卒業生リレーエッセイ【第12回】

社会の第一線で活躍中の本校卒業生からいただいたメッセージをリレー形式で紹介します。

 

第12回 伊 藤 卓 朗  氏

(物質工学科・第1期卒(1998年) 慶應義塾大学先端生命科学研究所特任助教)

『とことん楽しむ』

 鶴岡高専での5年間、とことんやりたい事を楽しんだ経験が私の糧となっています。私は卒業後、植物の研究者を目指して弘前大学農学部へ編入学しました。その後、東北大学大学院生命科学研究科へ進学、博士号を取得し、2006年より慶應義塾大学先端生命科学研究所(鶴岡市)に科学者として勤務し、「オイル産生藻類の品種改良」について研究しています。高専での成績は進学者の中で最低でしたが、研究に必須な英語をアメリカ留学で学び直した以外は、大学の授業で知識を身につける事ができました。また、高専で叩き込まれた実験は他の大学生よりも正確に手早くでき、大きな自信になりました。大学院に進んでからはBLS東北というインターカレッジサークルを主催し、授業では学べない起業や学際研究について講演会や勉強会を開催して好奇心を満たしました。その時の仲間は、今でも一緒に仕事や情報交換する、研究分野を超えた良いネットワークになっています。大学や社会では、知識以上に目標を持って行動する事が学びとなります。大学受験とは一線を画した高専では、遊びも含めて興味のある事を目一杯楽しむ事ができます。そのため、与えられた目標ではなく、自ら楽しみを探す過程で、自分が本当に好きな事を見極め、自己と向き合いながら将来について考える事ができました。これからも、現役の高専生に負けないくらい楽しみながら夢を追って生きたいと思います。

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